戸籍請求

はじめに|戸籍の種類、ちゃんと理解できていますか?

「戸籍謄本と抄本ってどう違うの?」「除籍って何に使うの?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?

戸籍は、相続や遺言の手続きでよく使われる重要な書類です。
ただその種類や使い分けについては、知っているようで意外と知られていないことも多いように感じます。

この記事では、行政書士としての視点から、
戸籍の種類とそれぞれの役割、そして取得の際に気をつけたいポイントまで、やさしく解説していきます。

戸籍とは?法律上の「家族の記録」

戸籍とは、日本の法律の中で「身分関係(親子・婚姻など)」を記録するために作られた公的な書類です。
そこには以下のような情報が記載されています。

  • 氏名、生年月日
  • 父母の氏名や続柄
  • 婚姻・離婚・養子縁組などの履歴
  • 本籍地

つまり戸籍は、その人の人生と家族のつながりを証明する、いわば「法的な家族の履歴書」のような存在なんです。

戸籍が必要になる場面とは?

◆ 必ず戸籍が必要な場面

  • 相続手続き
     被相続人(亡くなった方)の「出生から死亡まで」の戸籍が連続して必要になります。
     これは相続人を正確に特定するために法律上必須とされており、除籍や改製原戸籍も含めて取り寄せることになります。
  • 遺言書の検認
     相続人全員を確認するために、被相続人の戸籍一式を提出する必要があります。

◆ 状況により必要となる場面

  • 婚姻・離婚・養子縁組の届出
     2024年3月の戸籍法改正により、本籍地以外に届け出る場合でも原則として戸籍の添付が不要になりました。
     ただし、戸籍が電子化されていない自治体では、従来通り戸籍の提出が必要になることもあります。
  • パスポート申請
     本人確認として戸籍抄本が求められる場合があります(申請方法によっては不要なケースも)。
  • 金融機関での手続き
     相続に関する手続きや高額な取引の際、戸籍の提出が求められることがあります。事前の確認が大切です。

戸籍の種類を知っておきましょう

それぞれの戸籍には特徴と使い分けがあります。

  • 戸籍謄本(全部事項証明)
     戸籍内の全員の情報が記載された書類。相続など複数人に関係する手続きでよく使われます。
  • 戸籍抄本(個人事項証明)
     戸籍内の特定の人物だけの情報が記載された書類。本人確認など、個人に限定した証明で使われます。
  • 改製原戸籍
     法改正により戸籍様式が変更された際、旧形式で残されている戸籍です。相続手続きで使用されることが多いです。
  • 除籍謄本・除籍抄本
     戸籍に記載されていた全員が転籍や死亡によっていなくなった戸籍の写しです。こちらも相続手続きには不可欠な書類です。
戸籍の種類内容よく使う場面
戸籍謄本戸籍全員の情報が記載されている書類相続手続きなど
戸籍抄本特定の個人の情報のみ記載されている書類単独での申請時など
改製原戸籍法改正前の旧戸籍相続時に過去をたどる場合
除籍謄(抄)本全員が除かれた後の戸籍相続・死亡証明として

ケース別|どの戸籍がいつ必要?

  • 相続の手続き
     被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍一式(改製原戸籍・除籍含む)

例) 除籍謄本 (出生)➜ 改製原戸籍(婚姻後) ➜ 改製原戸籍➜ 現在の戸籍 ➜ 除籍謄本(死亡時)

  • 婚姻や転籍
     現在は原則不要ですが、自治体によっては戸籍謄本の提出が求められる場合があります。
  • 遺言の検認や金融機関での確認
     相続人を特定するため、戸籍一式が必要になるケースがあります。

戸籍の取得方法と注意点

  • 窓口請求:本人確認書類があればその場で取得できます
  • 郵送請求:申請書、定額小為替、返信用封筒を同封して送付
  • コンビニ請求:自治体により対応しているところがあります
  • 電子請求:自治体により、マイナポータルでの申請に対応しているところがあります
  • 代理人請求:委任状が必要。追加で戸籍や本人確認書類が求められることもあります
方法特徴注意点
窓口請求その場で取得できる原則平日しか受付していない
郵送請求遠方でも対応可能書類不備に注意
コンビニ請求気軽に取得可能対応していない自治体もある
電子請求電子に慣れていれば最も手軽対応していない自治体もある
代理人請求他人でも請求できる委任状や関係書類が必要

よくあるトラブル

  • 本籍地を間違えると申請が無効に
  • 筆頭者の記載ミスで検索不能に
  • 必要な種類を間違えると取り直しに

行政書士ができること|戸籍収集のサポート

戸籍収集は、相続手続きの中でも特に時間と労力がかかる部分です。

とはいえ、現在は最寄りの役所の窓口に行くことができれば広域交付制度が使用できますのでずいぶんと楽になりました。コンビニ交付や電子請求も実際に使用したらとても便利です。

ところが、これらの方法が難しい場合、全国の役所に郵送請求をしたり、複数種類を集めたりというのは大変な作業です。また、戸籍を読み解くことは慣れていないと難しいと感じる場合も。

行政書士にご依頼いただくことで――

  • 書類の抜けやミスを防ぐ
  • 全国の役所に対応
  • 戸籍収集と相続書類の作成をワンストップでサポート

「相続人が多い」「遺言書がある」「不動産や預貯金が複数ある」――
そんなときこそ、行政書士のサポートが活きてきます。

まとめ|戸籍を知ることは“家族の未来”を守る一歩

戸籍の種類を正しく理解することで、相続や遺言、各種手続きがスムーズに進められます。
「どの戸籍を取ればいいのかわからない…」という不安がある方は、
ぜひ一度、行政書士はらしま事務所までご相談ください。

ご家族の想いに寄り添いながら、法的な安心をサポートいたします。