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令和6年3月1日から始まった「戸籍証明書等の広域交付制度」によって、遠方の戸籍でも近くの市区町村の窓口から取得できるようになりました。これにより、今までの手間と費用が大幅に軽減され、特に相続手続きなどで必要な場合に非常に役立つ制度です。

1. 広域交付制度の概要

これまで、戸籍証明書は戸籍がある市区町村まで出向くか、郵送でしか取得できませんでした。しかし、この新しい制度では、最寄りの役所の窓口にて、マイナンバーカードなどの身分証を提示すれば、本人やその配偶者、親・祖父母や子・孫(直系血族)の戸籍証明書等を簡単に請求できるようになりました。

2.実体験して感じた制度利用のメリット

私も流山市の窓口でこの制度を利用しましたが、手続きのスムーズさに驚きました。複数人の出生~死亡または現在までの戸籍請求をしたのですが、翌朝にはすべてが揃っており、手数料の節約にもつながりました。これまで、郵送で請求する場合は往復の郵送費や郵便局での定額小為替の発行手数料や、日数がかかりました。その負担が一切なく、即日ではない場合もあるものの、かなりのスピードで取得できる点もメリットです。

3. 自治体での対応状況

広域交付制度は自治体によって発行までのスピード等に違いがあるようです。各役所のホームページや窓口で詳細を確認すると良いでしょう。流山市では水色の専用用紙(令和6年10月現在)に必要事項を記入しました。わからない部分は窓口で職員さんが丁寧に対応してくれるので、安心して手続きを進めることができました。

4. 広域交付の注意点

この制度で取得できるのは、コンピュータ化された戸籍(除籍)証明書や改製原戸籍に限られ、戸籍の附票や身分証明書、独身証明書などは請求できません。利用する際は事前に対象書類を確認しておくと良いでしょう。また、兄弟姉妹、おじおば(傍系血族)の戸籍は取得できません。

5. 今後、戸籍制度はもっと便利に!?

デジタル化の進展により、一部自治体では、マイナポータルを使用して戸籍証明書や住民票等請求のオンライン手続きもできるようになっています。将来的にはどんどん戸籍の請求自体がいらなくなっていく見通しです。実際に、婚姻の届け時に戸籍証明書を提出する必要は無くなっていますね。

しかし、現状では戸籍の請求や読み取りが必要になる場合がまだまだあります。特に、相続手続きなどで複数の戸籍が必要な場合、自分だけで対応するのが難しいことも多いため、その際は専門家への相談もご検討ください。

まとめ

戸籍の広域交付制度は、相続手続きやその他の行政手続きを円滑に進めるための強い味方です。利用を検討されている方にはぜひおすすめします。

行政書士はらしま事務所では、そもそも役所の窓口に行くのが大変、戸籍を読み解くのが難しいといったお悩み、兄弟姉妹等広域交付では取得できない戸籍証明書の取得もサポートいたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。